コルクよりスクリューキャップのワインの方が安物だと思っているなら大間違い!
人生を変えるワイン学 第13回
◆スクリューキャップが使われるようになったわけ
天然コルクは高価なのでワインを造る際にコストがかかりますが、スクリューキャップは低価格でコストが削減できるのです。
ですが、スクリューキャップが使われるのには、経済的な理由だけでなく他にもわけがあります。
まずは、コルクとスクリューキャップの性能について考えてみましょう。昔からずっとコルクがワイン栓として使われてきたのに、なぜスクリューキャップも使われるようになってきたのでしょうか?
その理由としては、天然コルクはその性質によってワインを劣化させてしまう可能性があるということです。
天然コルクはコルクガシの樹皮をくり抜いているので品質にばらつきがあり、穴が開いているのもがあれば虫食いのものも。そうすると液漏れなどによってワインを酸化させてしまうことがあるのです。
また、天然コルクが原因でコルク臭やカビ臭がワインについてしまう可能性があるということ。それは、一般的にワイン全体の5%ぐらいの確率で発生するといわれています。
せっかく造ったワインがダメになってしまうのは造り手にとってリスクがありますし、消費者にとってもせっかく購入したワインが劣化していたら残念ですよね。
この問題を解決するために、コルクに似せて作られた合成樹脂コルクが使われるようになりました。しかし密閉度が低く、なおかつ開けにくいという欠点がありスクリューキャップが世界中で使われるようになったのです。
ですからスクリューキャップは、気密性や安全性としての性能はコルクより優れているのです。
◆スクリューキャップは横に寝かせておかなくても大丈夫!
通常、ワインを熟成させるときにはボトルを横に寝かせておいてくださいね、と言われますよね。それには、理由があるのです。
横にすると、ワインの液体がコルクの方に流れて湿った状態になります。そうすることでコルクの乾燥を防いでくれるのです。
一方、ボトルを立てておいておくとコルクが乾いてしまいますよね。コルクが乾燥することによってコルクが縮んでしまいボトルとコルクの間に隙間ができてしまいます。隙間ができるとワインが酸化してしまい劣化してしまいます。
また、コルクが乾いていると抜栓するときにコルクが抜きにくくなったり、割れてボロボロになってしまうことがあるからです。
では、コルクじゃなくてスクリューキャップの場合はどうなのでしょうか?
スクリューは乾燥しないのでわざわざ横にする必要がなく、横にしても立てておいてもどちらでも保管ができます。抜栓は、手で回して簡単に開けることもできますよね。